高い腰位置、まっすぐな背中。骨の存在をしっかりと感じさせる肩と、そこからぐんと伸びた健康的な長い腕。灼けた肌の色は、ワンピースのココア色とほとんど境目がなく、全身がカラッと乾いた一色に見える。すでにミラノの定番となっているこんなストレッチ・ドレスの色は、決まってダーク系である。ココアやモカ茶、カーキ、ダークオレンジ、レンガ色など、アフリカの大地を思わせるような色ばかりで、淡い色や白が多くなる日本の夏とは対照的だ。そしてその色づかいは灼けた肌にきれいに溶け込み、露出した部分の生々しさを感じさせない。乾いた印象にゴージャスな艶を与えるゴールドジュエリーのつけこなしや、帽子や靴をマニッシュなものにして、体の線の女っぽさとのバランスをとる、ミラノ流の着こなしは、閉ざされた冬が終わってとにかく肌をたくさん出したいという強い欲求から、必然的に生まれた技だ。そしてまた、それを支えるのが「自然なものは、あるがままに」というイタリアの精神風土である。あらわにされた体の線や胸を、誰も好奇な目で見たりはしない。