何故住まいの中に農薬をはじめとするさまざまな化学物質が使われるようになったかを考えれば、一目瞭然。まずは湿気によるカビの発生やダニの繁殖を抑えるためだった。そのために農薬や殺菌性のある化学物質が使われるようになった。その原因は家のつくり方が湿気をこもらせる、いわば風通しの悪い住まいとなったことにあって、家のつくりをそのままに自然素材を使えばまたカビやダニの問題がでてくる。悪循環でしかない。考えてみれば細菌や虫から防御しようと、結果自らの健康を害していることになる。防腐処理剤、防蟻処理に使われる薬剤しかり。家が完成した後に持ち込まれる防虫剤、殺虫剤、園芸用の各種薬剤、身のまわりには抗菌、殺菌された商品が山ほどある。こうして持ち込まれたさまざまな化学物質に対し、吸着し脱着、ないし吸着し分解するような安全な機能素材の開発もこのところ後を絶だない。しかしそうした機能部材も吸着した化学物質を脱着できる環境で使われなければ意味をなさないし、吸着し分解する機能部材はその効果が永続するわけではない。建築後初期に効果を発揮するものであって、年々持ち込まれる化学物質に対しては効力を発揮できない。何年後かに交換ともなれば、大掛かりなリフォームとなってしまう。