「節税対策十家賃収入」という言葉に心を動かされて土地活用をしてしまうと、かえって苦労の種を増やすことになりかねません。更地のままにしておけば一億円の資産価値がある土地も、アパートを建てる契約を結んだ瞬間に、価値を激減させてしまうことになるのです。更地のままであれば、相続が生じた際、そのまま物納することも、売却して現金化することもできたはずです。ところがアパートを建ててしまったために、〈アパート付きの土地〉として、更地よりも低い評価になってしまいます。
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そのうえ建物部分に課せられる固定資産税をはじめ、金利上昇リスク、空き室リスク、修繕リスクという不安材料を抱えてゆかなければなりません。借入金は相続税課税価額から控除されるので「相続税対策になる」といわれますが、相続によって借入金がなくなるわけではありません。アパートを相続した人が、借入金を返済していかなければなりません。さらに、相続人がアパートを相続するころには、老朽化に伴う空き室リスクの問題も本番を迎え、家賃の引き下げや修繕費用の負担に頭を悩ますことも考えられます。「改めて益なきことは改めぬをよしとするなり」とは、昔からよく用いられる吉田兼好の言葉ですが、ストレスを増やすような対策なら、何もしないほうがはるかに賢明です。